ヨット完成

この度、横浜マリーナ会員の斎藤智さんが本誌「セーラーズブルー」にてヨットを題材にした小説を連載することとなりました。

クルージング教室物語

第14回

斎藤智

ヨットの組み立てが終わった。

隆のヨットは33フィートのフィンランド製モーターセーラー、ナウティキャットだった。外観は、実際にはFRPの船体なのだが、木造風にあっちこっちに木材が使用されていて豪華だ。茶色い木材風のマストが船体の前後に2本立っている。前のマストは背が高く、後ろのマストは前よりも少し低い。両方のマストそれぞれにセイルを張ることができる。

一般的なマストが1本しかないヨットのことをスループというのに対し、隆のヨットのように、マストが2本あるヨットをケッチという。隆が、麻美にその説明をしたら、ケッチなんてケチな隆にぴったしじゃないとか言われてしまった。

後ろ側のマストの脇に、ステアリングラットという船を操船する装置、ハンドルが付いていた。その後ろに乗船者が座れる場所があった。船体最後部には、スイミングプラットフォーム、マンションのベランダのような板が付いていて、夏ならば走行中に、そこの上に水着で座って足をバタバタさせたら気持ち良さそうな空間があった。

船体中央部に窓が付いていて、船内から外を眺められるようになっている。その船室の後ろは、屋根が高くなっていて、大きな窓が前後左右に付いている。窓から中を覗くと、そこにもステアリングラット、ハンドルが付いていて、雨の日などは船内でも操船できるようになっていた。

船体の前方を見ると、前部デッキには、大きなフェンダー入れがあり、フェンダーが左右3個ずつ置かれていた。フェンダーとは、船を岸壁に着岸するときに、船体が傷つかないように保護するゴム製の防護材のことだ。

船体の最前部にはバウスピリットという木材でできた板が、ヨットからはえた角のように伸びている。バウスピリットには、床にアンカーが備わっていた。どこかの港で停泊するときに、このアンカーを先端から落として船を停泊するのだ。

斎藤智さんの小説「クルージング教室物語」はいかがでしたか。

横浜マリーナでは、斎藤智さんの小説に出てくるような「大人のためのクルージングヨット教室」を開催しています。