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いざ、出航!

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この度、横浜マリーナ会員の斎藤智さんが本誌「セーラーズブルー」にてヨットを題材にした小説を連載することとなりました。

クルージング教室物語

第31回

斎藤智

「さあ、出航しようか」

隆が皆に言った。

横浜マリーナのスタッフがリモコンを操作すると、ラッコの閉まってある艇庫の扉と屋根が開いていく。中から閉まってあったラッコの船体が姿を現す。

スタッフが、その船体が乗っている船台をクレーンで引っ張って艇庫から出す。艇庫から出したら、そのまま海際にある大型クレーンの脇まで引っ張っていく。

このクレーンは全長100フィートの艇までが楽々運べるクレーンなので、全長わずか33フィートのラッコは楽に上げ下ろしできてしまう。このクレーンに乗せると、ラッコが小さなヨットに見えてしまうから不思議だ。

横浜マリーナのスタッフが、クレーンで船を海面まで下ろしたところで、隆たち乗員は、ラッコに乗船する。全員が乗船し終わったあとで、スタッフが引き続きクレーンを下ろしていき、ラッコがしっかり海に浮かんだところで、隆はラッコのエンジンをかけて、出発する。

横浜マリーナのクラブハウスすぐ前にあるポンツーン、ビジターバースにはレースの参加艇がたくさん舫われていた。

レース艇の乗員たちは、既に出航準備を終えていて、デッキの上で座って、朝のコーヒーなどを飲みながら、のんびりと寛いでいる。

これからレースという戦い前の、嵐の前の静けさというところか。レースのスタート時間までは、まだもう少し時間があるので、レース艇のデッキ上のクルーたちは、楽しそうに笑顔で談笑している。

そんなのんびりしているレース艇たちの前を通り過ぎて、ラッコはレースが行われる海面を目指して出航していく。本部艇は、レースが始まる前に、海上に行って、ブイを打ったり、いろいろと準備をしておかなければならない。

「ブイを打ちやすいように仕分けておいて」

ヨットのステリアリングを握りながら、隆はクルーたちに指示を出す。

オレンジ色の三角のブイが二つと黄色の三角のブイが一つ、デッキ上に乗っている。ブイには長いロープが付いており、ロープの先には、それぞれにアンカーが付いている。これらのブイを、レース海面に落としてレース会場は出来上がる。レース艇は、このブイを三角に周ってきて、その順位を競いあうのだ。

「重い、重い!」

雪とルリ子は、ブイのアンカーを持ち上げて、アンカーを打ちながら言った。

「私は軽い、軽いよ」

洋子は、ブイのほうを持つのを担当している。

ブイは、大きさこそアンカーよりも巨大だが、ビニールの巨大な風船で中身は空気の膨らみだけなので軽々持ち上げられる。

全てのブイを打ち終わって、皆は船の最前部から後部のコクピットに戻って来た。

洋子は、片手に大きな旗の付いた棒を持っている。この旗を振ってレース艇にスタート時間をお知らせするのだ。

ルリ子は、レース艇の順位を記録するバインダーを手に持って、レースの始まりに備えている。

「それじゃ、ルリちゃんが笛の担当ね」

麻美は、ルリ子にバインダー以外に笛も手渡した。

スタート時間の10分前、5分前になったら、それぞれ笛を吹いてレース艇に伝える。そして最後にスタート時間に長く笛を吹いて、レースがスタートする。

斎藤智さんの小説「クルージング教室物語」はいかがでしたか。

横浜マリーナでは、斎藤智さんの小説に出てくるような「大人のためのクルージングヨット教室」を開催しています。

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