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ボートレース

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この度、横浜マリーナ会員の斎藤智さんが本誌「セーラーズブルー」にてヨットを題材にした小説を連載することとなりました。

クルージング教室物語

第67回

斎藤智

予定していた花火は、すべて打ち上げ終わった。

「きれいだったね」

「これで、全部打ち上げ終わったのかな」

ラッコのデッキ上で、花火を見ていた乗員たちも、きれいな花火を見終わって、とても満足していた。

「これから、マリーナに戻るんでしょう?」

麻美は、テーブルの上の食べ終わった料理がのっていたお皿を片付けながら、隆に聞いた。

ほかの乗員たちも、船を出せるように、出航準備を始めていた。

「船を出すのは、少し待とう。ほかの船が全て出てしまってから、ゆっくり出航しよう」

隆は答えた。

港内には、ボートや屋形船、観光船がたくさん停泊していた。

それらの船が、全艇一斉にエンジンをかけて走り出すと、港内のあっちこっちで、とても大きな引き波が立ってしまう。

そうすると、隆たちヨットに乗っている人たちは、その引き波で、まるで海に浮かんでいる落ち葉のように、船体をぐらぐらと揺らされてしまうのだった。

それで、ほかの艇がある程度出てしまって、引き波が少し収まってから、ゆっくり出航しようというのだ。

「それじゃ、後片付けを先にやってしまうね」

麻美は、食事の後片付けをし始めた。

ルリ子や佳代も、麻美の後片付けを手伝っている。ゲストで来ていたはずの女性たちも、麻美のことを手伝ってくれていた。

洋子と雪だけは、麻美の手伝いをせずに、デッキに残って、隆と一緒に船が揺れないように、ウォッチをしていた。

「そろそろ、行こうか」

だいぶ、引き波も収まってきたので、隆が言った。

洋子と雪は、もやいを外した。

ルリ子たち、船内で後片付けをしている人たちのことは、そのまま後片付けを任せておいて、三人だけで出航した。

ベイブリッジを、今度は港の内側から外側に向かってくぐって、横浜マリーナを目指す。

行きは、ゲストの女性たちの黄色い歓声で賑やかだったが、帰りのベイブリッジは、洋子たち三人だけなので静かだった。

「静かな夜の海で、ベイブリッジ眺めるのもいいな」

隆は、缶ビールを片手に船尾のベンチに腰掛けながら言った。

「確かに」

隆から代わって、舵を握っていた洋子が、後ろを振り返って答えた。

「あれ!もうベイブリッジを越えてしまっているじゃん!」

後片付けを終えた船内にいた連中が、デッキに戻ってきて、ラッコのデッキ上は、途端に賑やかさを取り戻していた。

「これから横浜マリーナに戻るの?」

「そうだよ。もっと、どこかに行きたいか?」

「うん」

「よし、それじゃ、このまま太平洋を渡って、アメリカに行ってしまうか」

静かな夜の海に、ラッコの乗員たちの楽しい笑い声が響いていた。

真夏のビールパーティー

横浜マリーナのクラブハウスは、落ち着いた感じのインテリアをあっちこっちに配置して高級感を出している。

横浜マリーナの会員の中には、貿易商の社長さんがいらしゃって、よくイタリアに出張しては、イタリアの良い家具を仕入れている。

その方が、売り物としては、商品にはならないけど、非常に良いと気に入って、日本に輸入された家具を、横浜マリーナに寄付してくれた。

その家具が、クラブハウスの中央に置かれている。

その家具に合わせた形で、黒いグランドピアノが置かれていて、部屋の脇には、調理場兼用のバーカウンターが設置されている。

クラブハウスは、落ち着いた感じで高級感が漂うように作られている。

大人だけでなく、子ども、ファミリー層にも楽しめるように、隣りの部屋には、小さいがキッズルームも備えられていた。

そんな横浜マリーナのクラブハウスでは、毎年夏になると、月に一度の割合で、会員たちの親交を目的にビールパーティーが開催される。

クラブハウスのバーカウンターには、輸入物の高級ウイスキーやワインなどが飾られていて、高級な感じに仕上げられているので、そこのクラブハウスで開催されるビールパーティーといえば、さぞかしシックなビールパーティーを想像されることだろう。

「いつもの焼きそばを作ろう!」

室内にある家具とは、およそ似つかわしくないサビだらけのバーベキューセットが、バルコニーに持ちだされて、その上で、キャベツと麺が焼かれて、焼きそばが作られる。

焼きそばの後は、広島出身の会員と大阪出身の会員によるお好み焼きの食べくらべ合戦が始まる。

これが、横浜マリーナ、夏のビールパーティーの定番料理だ。

「今度のビールパーティーは、もう少しシックに、大人の雰囲気で、高級にやろうよ」

いつも企画段階では、会員皆、そんなことを話しているのだが、実際にビールパーティーが始まると、結局、いつも焼きそばやお好み焼きに、安い発泡酒などで庶民的なビールパーティーになってしまうのだった。

ビールパーティーの幹事は、会員持ち回りで、船ごとに順番に担当していた。

今度の8月終わりに開催されるビールパーティーの担当は隆だった。ということは、隆たちラッコの順番で幹事をすることになるのだった。

斎藤智さんの小説「クルージング教室物語」はいかがでしたか。

横浜マリーナでは、斎藤智さんの小説に出てくるような「大人のためのクルージングヨット教室」を開催しています。

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